私は35歳。10年以上、アフィリエイトというインターネットの世界で生活してきました。
しかし、ここ数年のGoogleによる締め付けは苛烈を極め、この業界の未来に明るい展望を描くことは、もはや不可能だと感じています。

このまま沈みゆく船と運命を共にする気はありません。
不安定なWebの世界から一度距離を置き、全く違う舞台で戦う準備を始める。
その決意のもと、私が選んだのが「消防設備士」という国家資格でした。

なぜ、Webとは全く無関係なこの資格だったのか。
その思考の過程を、ここに記録します。

なぜ、Web業界での転職を選ばなかったのか?

多くの方はこう思うかもしれません。
「アフィリエイトがダメでも、Webの知識を活かして別の会社に転職すればいいじゃないか」と。

しかし、私が10年かけて培ったアフィリエイトのスキルや経験に、転職市場での価値はほとんどないのではと考えています。

マーケティングやSEOの知識がある、と言ったところで、それはあくまでアフィリエイトという特殊な環境下での話。多くの企業が求める体系的なスキルとは、似て非なるものです。

中途半端な知識を持った35歳の未経験者を、わざわざ雇い入れて、一から育ててくれるような奇特な会社は、そう多くはないでしょう。Web業界は、進化のスピードが速すぎます。私のような古い人間が、今から新しい環境で若者に混じって戦うのは、互いにとって不幸な結果を招きかねません。

「資格」という武器を手に入れる戦略

経歴やスキルで勝負できないなら、どうするか。
答えは一つ。誰の目にも明らかな「資格」という武器を手に入れることです。

特に国家資格であれば、「最低限の知識と能力がある」という客観的な証明になります。
「アフィリエイトを10年やっていました」という、得体の知れない自己PRよりも、一枚の資格証の方が、よほど雄弁に私の価値を語ってくれるはずです。

資格を取って、未経験・年齢という転職のハードルを、少しでも下げる。
これが、私の基本的な戦略です。

なぜ「消防設備士」だったのか?

数ある国家資格の中で、私が消防設備士を選んだのには、いくつかの理由があります。

仕事が安定している

建物がある限り、消防設備の設置や点検は法律で義務付けられています。ビルの建て替えや法改正があるたびに、仕事は生まれる。GoogleやAIのさじ加減一つで、全てが吹き飛ぶWebの世界とは、安定感がまるで違います。少なくとも、Web業界よりは食いっぱぐれる可能性は低いのではないかと思いました。

試験のハードルが、意外と低い

「国家資格」と聞くと、難関なイメージがありました。
しかし調べてみると、消防設備士の試験は基本的には丸暗記で突破できるようです。もちろん計算問題もありますが、公式さえ覚えてしまえば、対応できるレベルだと感じています。

実際に、1ヶ月や2ヶ月の勉強で合格した、という声も少なくありません。
まずは、その中でも比較的取得しやすいと言われる「乙種6類(乙6)」から狙うのが、一般的なセオリーです。

ただし、過度な期待はしていない

もちろん、資格さえ取れば将来安泰だ、などという甘い考えは持っていません。
これは現場仕事であり、チームで動く仕事です。資格があるからといって、未経験の人間を、企業がすぐに受け入れてくれるとは限りません。

それに、芸人のザブングル加藤氏が副業で稼いでいると話題になりましたが、あれは芸能人というネームバリューと、東京という土地柄があってこその話でしょう。私のような地方在住の素人が、いきなり副業で稼げるような案件は、悲しいかな、全くありませんでした。

結局のところ、正社員として地道に経験を積んでいくしかないのです。

結論:沈む前に、次の船を造る

アフィリエイトという船は、もう沈みかけています。
しかし幸いなことに、まだ完全に沈没したわけではありません。わずかながらも収益を確保し、次の一手を打つための時間を、私はまだ持っています。

その時間を使って、消防設備士という、新しい船を造る。
これが、35歳、崖っぷちの私が下した、現時点での最適解です。

まずは乙6の試験。
この挑戦の過程を、このブログで報告していきます。

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